ART今月のアート

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ジョルジュ・グルサ

風刺画

パリが華やぎ、文化と芸術が咲き誇ったベル・エポック(美しき時代)。その空気感を軽やかに、そして鋭く描き出したのが、風刺画家ジョルジュ・グルサ(Georges Goursat/通称:Sem)です。

Semの作品は、20世紀初頭のパリ社交界や貴族、芸術家たちの姿をスタイリッシュかつユーモラスに描写し、フランス中で一躍人気を博しました。優美な線とデフォルメ、そして人物の特徴を絶妙にとらえるセンスは、風刺とエレガンスを同時に成立させた独自の表現として、今もなお世界中で高く評価されています。

彼の描く登場人物たちは、当時のモードやカルチャーを体現しており、まるで時代の空気をそのまま閉じ込めたような魅力を放ちます。セレブリティたちの姿に潜む皮肉と愛情が織りなすユーモアは、現代の私たちにも新鮮な視点を与えてくれます。

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